ハーブにも色々な種類がありますが「パクチー」というと、どのようなイメージでしょうか。
おそらくタイ料理やベトナム料理などに多く使われ少し独特の香りを持つイメージがありますね。
コリアンダー(パクチー)はセリ科で別名コリアンダーとも呼ばれているハーブです。
日本ではこのような風味の強いものがないせいか、ちょっと苦手という方も多いかとは思います。
ですがタイ、ベトナムでは栄養が非常に高い食材として様々な料理に使われており、デトックス効果などを期待できる、優秀な食材です。
ここではさっそくハーブの持つ優れた作用についてみていきましょう。
コリアンダー(パクチー)についてのおさらい
コリアンダー(パクチー)はセリ科の植物です。
「パクチー」以外では「コリアンダー」や「香菜(シャンツァイ)」と呼ばれます。
ちなみに「パクチー」はタイ語、「コリアンダー」は英語、「香菜」は中国語での呼び名です。
葉や茎をはじめ根も食用にでき種子もカレーなどのスパイスに利用されることがあります。
古代ギリシャや古代ローマで薬草とされていたほど注目されていて、世界中で愛される栄養価の高いハーブです。
では、どのような栄養がパクチーには含まれているのでしょうか。さっそく見ていきましょう。
ビタミンA…ビタミンAに変わるβカロテンは、活性酸素の働きを抑えたり取り除いたりする作用があります。
このため、βカロテンが豊富なパクチーは、アンチエイジング効果があると言われています。
また、活性酸素が関わって引き起こされる動脈硬化を予防したり、ガンの発生を抑える効果も期待されているのです。
ビタミンC…パクチーには同じく抗酸化作用のあるビタミンCがたっぷり含まれています。
ビタミンCの抗酸化作用は、食べ物が体のなかでエネルギーに変わる時に作られる物質、フリーラジカルから細胞を守ってくれます。
ビタミンE…ビタミンEは免疫機能をアップしてくれるので、体内に侵入した細菌やウイルスを撃退する時に役立ってくれます。
ビタミン類が総合的に含まれているので、野菜不足が多いあなたの健康のサポートになってくれそうですね。
ではこれらの栄養素をふまえ、私たちの細胞に役立つ要素をピックアップしていきましょう。
その1.デトックス、むくみの改善が期待できる。
コリアンダー(パクチー)は体内から重金属を追い出すキレート効果が期待できます。
キレート作用(キレート効果)とは、吸収されにくい成分を吸収しやすい形に変えたり、体内の水銀や鉛などの有害物質を排出しやすい形に変えて排出したりする働きのことをいいます。
とくに最近のあなたの周りの環境。
排気ガスをはじめ、農薬のかかった野菜やホルモン漬けにされたお肉など、私たちの身近にある「毒素」は抑えようにも止まらない状態です。
一度これらの毒を溜め込んでしまうと血流が悪くなり、代謝も下がってしまいまいます。
そこでパクチーなどのキレート作用の高いハーブを使ってデトックスを定期的に行うことで、身体に溜まった有害物質や老廃物の排出を大きく助けてくれます。
その2.血糖値を下げるサポートとしても有効
高血糖が続くと、2型糖尿病の危険因子が高まりやがて成人病を発症してしまう可能性があります。
動物実験を行った結果によると、コリアンダー(パクチー)の種子は血液から砂糖を取り除くのに役立つ酵素活性を促進することができ、血糖値を下げるとの結果が。
肥満と高血糖のあるラットを対象とした研究では、コリアンダー種子エキスの単回投与をしたことで、6時間で血糖値が4 mmol / L減少。
さらに糖尿病のラットでは血糖を下げ、インスリン放出を増加させたことがわかりました。
このような結果からコリアンダー(パクチー)を使うことで、血糖値を下げることが期待できるのです。
その3.免疫増強抗酸化物質が豊富
コリアンダーはいくつかの抗酸化物質を提供し、フリーラジカルによる細胞の損傷を防ぎます。
その抗酸化物質とはパクチー(コリアンダー)に含まれるテルピネン、ケルセチンなど。
- テルピネン・・・抗菌作用、抗真菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、鎮静作用、神経強壮作用、鎮痛作用。
- ケルセチン・・・ニンニクや玉ねぎなどの野菜にも含まれているポリフェノールの一種。強い抗酸化作用で体内の余分な活性酸素を除去する働きがあります。
試験管と動物などを使った研究によりますと、これらの成分は抗がん作用、免疫増強作用、神経保護作用がある可能性があるとわかっており、
コリアンダー種子抽出物に含まれる抗酸化物質が炎症を抑え、がん細胞の成長を遅らせる、との報告があります。
2020年からコロナウイルスの心配もありますから、免疫強化の為にもぜひコリアンダー(パクチー)はとっておきたいハーブですね!
その4.コリアンダー(パクチー)は心臓の健康にも
先にご紹介したようにコリアンダーにはケルセチンが含まれており、
作用として、酸化ストレスが原因とされている動脈硬化や心筋梗塞などの予防に効果的だと言われています。
一部の動物および試験管の研究によりますと、コリアンダーが高血圧やLDL(悪玉)コレステロール値などの心臓病の危険因子を低下させる可能性があることが示唆されています。
またコリアンダー(パクチー)に含まれるカリウムも利尿剤として作用し、
体が過剰なナトリウムと水を洗い流すのに役立ちますしコレステロールを下げるのにも役立つ可能性が高いという研究もあります。
コリアンダー(パクチー)のような辛味のあるハーブやスパイスを食べると、ナトリウムの摂取量が減り、心臓の健康が改善する可能性が高まるという報告もあり
コリアンダーを大量に消費する集団では、心臓病の発生率が低くなる傾向があるという結果も出ています。
その5.コリアンダー(パクチー)は脳を生き生きさせる
パーキンソン病やアルツハイマー、および多発性硬化症を含などの多くの脳の病気は、炎症が原因です。
コリアンダー(パクチー)の持つ抗炎症作用はこれらの病気を防ぐ可能性があります。
あるラットの研究によりますと、コリアンダー(パクチー)の抗酸化特性は薬物誘発性発作後の神経細胞損傷から保護されていることを発見しました。
これによりコリアンダー(パクチー)をとることは記憶力を改善し、アルツハイマー病や認知症予防にも作用が期待できるとしています。
ちなみにコリアンダーエキスが、一般的な抗不安薬であるジアゼパムとほぼ同じ作用が持たされるという結果も出ていて
リラックス効果なども期待できるハーブである点にも注目が集まっています。
その6.コリアンダー(パクチー)は腸の健康を促進
過敏性腸症候群(IBS)などの症状に苦しむ人を対象とした研究によると、
コリアンダー(パクチー)を含む30滴のハーブ薬を1日3回服用すると、腹痛、膨満感、不快感が大幅に減少することがわかりました。
またあるラットの研究は、これらのハーブをを与えられた、または何も与えられていない対照ラットと比較して食欲を増加させたことを指摘しました。
腸内環境を改善させたいと考えた時にも、コリアンダーを候補に入れておくことは、あなたの腸内環境にとって悪い選択ではありません。
生食ならスープやサルサ、スパイスならカレーがおすすめ
いかがでしょうか。このようにコリアンダー(パクチー)は細胞活性化にとってかなり役立つことが、様々な研究によってわかっています。
ですが、あの独特な風味がどうも苦手で…という人も少なくありませんね。
そこで考えられるのが以下の方法(2)です。
- 生食なら、スープにして食べる
- 生食が無理なら、スパイスとして使う
実はインドカレーのスパイスにはコリアンダーの成分が含まれていることをご存知でしょうか。
これはカレーやマサラなど、古来からインド料理、中東料理、アジア料理に使用されていたためです。
「どうしても生がダメ」というあなたでも、おそらくインドカレーなら簡単にパクチーをとることができるでしょう。
またメリットが多いコリアンダー(パクチー)ではありますが、いざ食べ過ぎると下痢や強い眠気などが見られるようになりますので、ご注意を。
パクチーは比較的温暖な気候であれば栽培も可能で、日本での主な産地は福岡県、静岡県、北海道、岡山県、佐賀県などがあります。
とくに福岡県、静岡県は生産量が多いエリアです。
このように全国のスーパーでも比較的コリアンダー(パクチー)は手にしやすい食材ですから、ぜひ一度チャレンジしてみてくださいね(^^♪