環境のこと

質の良い睡眠を強化するには!?電子機器とテロメアの関係性について

睡眠と聞くとあなたはどのようなイメージがありますか。

「ぐっすり寝ている」という人もいるでしょうし「睡眠が浅い」とお感じの場合もあるでしょう。

日本生活習慣病予防協会の調査によると、日本人成人の20パーセントもの人が慢性的な不眠。そして15パーセントの人が日中に過剰な眠気を感じているのだとか。

そこで、ここでは睡眠が浅い原因や、どうしたら質の良い睡眠ができるか考えてみたいと思います。

睡眠が浅い原因のひとつはスマートフォンなどの電子機器


あなたが気づけば見ているパソコンやスマーとフォンのいわゆる電子機器。

これらが普及するようになってから「やけに眠い」という事が起こっている気がしませんか。

NYのレンセラー工科大学の研究チームの研究では、コンピューターの画面に2時間作業するだけで、睡眠を促進する「メラトニン」の数が著しく抑制されることが分かっています。

そういえば真夜中すぎにパソコンに向かっていると、すぐに眠ることができない時がよくあります。

あなたもおそらく経験があるでしょう。

最近空いている時間といえばテレビや読書よりもユーチューブやネットゲームなどが主流。「寝る10分前にちょっと…」と思って見始めたユーチューブが、実はそのあと1時間以上見てしまった。なんて事はありませんか?

楽しすぎるユーチューブ、SNSはドーパミンを誘発すると言われていますが実はこういった習慣が、良質な眠りからどんどん遠ざかっている原因のひとつなのかもしれませんね。

睡眠不足はテロメアに作用する?

 

人間の寿命を司る「テロメア」という成分があります。

これは染色体の端にあり、細胞分裂のたびに短くなるため、加齢のたびにすり減って行ってしまいます。

さらにやっかいなのが若い世代でも深夜まで起きている生活を続けると、テロメアはどんどん短くなり細胞分裂の劣化の原因となります。

つまり体調を崩したり、お肌がくすんだり…といった現象がみられるようになる事も。

同年代なのに若く見える、老けている。といった事はよくありますがテロメアの長さも原因のひとつかもしれません。

また心身ストレスはテロメアの寿命には一番よくないとの報告もあります。

できるだけ長いテロメアを保つためにも、細胞をリペアしてくれる睡眠は大切。

さらに運動もテロメアと関係が深く、定期的なジョギング、テニス、水泳などを行っている人は、そうでない人に比べてテロメアが強化されていきます。

良質な睡眠をとるなら電磁機器から少し離れる

「最近疲れが取れない」「ぐっずり眠れない」と言った人が簡単に眠気を復活させるには、やはり寝る前の習慣を見直すのが一番のよう。

まずは寝る2時間前くらいまでに、スマホやパソコンに近づかない事。これにより、ドーパミンを抑制し、眠りを誘う事ができます。

ユーチューブが楽しいと思う一番の原因ですが、世界中の優良なコンテンツが無料で楽しめる為、すぐ私たちの脳に「ドーパミン」を誘発してくれるからだといえます。

このドーパミンは中枢神経系に存在する神経伝達物質であることはすでにご存じの方も多いかと思いますが「眠気」より「やる気」や「集中力」などに欠かせない物質。

また「楽しい」と気持ちがすぐに沸き立ち快楽をもたらしてくれるため、ドーパミンを発し続けたいがためにドーパミンを出し続けるモノに依存しがちになる。といったリスクも考えられるそう。最悪な場合、ドラッグにハマるといった事もあり得ます。

そこまではいかないものの、ユーチューブなどはまさに現代の「ドーパミン製造機」となっていて、寝るまに見てしまうと、どんどん眠気から遠ざかっていってしまうようです。

ですが、こんな生活を毎日続けていてはいずれ「睡眠落第生」になってしまいます。

眠りホルモンのメラトニンを分泌せよ

個人的には眠りはとても重要なものだと思っていて「何はなくても睡眠が大切」と考えています。

なぜなら体調が悪くなった時、部屋を真っ暗にし暖かくして眠ると翌日の回復が明らかだからです。

明らかに「医者から処方された漢方」を飲んでその場をしのぐより、私には効果てきめんでした。それからずっと「体調が悪くなる前に、まず睡眠」を実践しています。

さらに質の良い眠りを保つにはドーパミンをシャットダウンするのは欠かせないようですね。そして眠りをいざなってくれる物質であるセロトニンや、メラトニンの分泌をよくすることも必要な気がします。

メラトニンをつくるには、ライトなどの照明を暗くすることが有効のようで、これにより脳の深層部分にある松果体がメラトニンを分泌してくれます。

だいたい眠る2~3時間くらいを目安に、照明に気をつけてみるとよいようです。

また、この時間帯にパソコンやスマートフォンなどの操作はできるだけ避けるようにしたいもの。電子機器のディスプレーから発せられるブルーライトの強い光は睡眠の質を低下させ、スマホからの電磁波はメラトニンを分解してしまうこともあるそうですから、注意が必要ですね。

ちなみに、メラトニンを分泌させる食品は以下の通りです。

・オレンジ

・トマト

・バナナ

・パイナップル

どれもおなじみの食材ばかりですね。

朝食やランチタイムに上手に活用してみてもいいでしょう。

また気持ちを落ち着かせ、抗ストレス作用も期待できるGABAが豊富なモリンガティーなども有効です。

http://best-superfoods.com/moringa/

睡眠障害には入浴も有効

ピッツバーグ大学の研究では、不眠症の人は通常より体温が高くなり、またストレスによっても体温が上昇することを突き止めました。

疲れていたりすると眠りが浅くなってしまうことも多々ありますが、このような体温が高い状態に有効なのは「お風呂に入る」という事。シャワーではありません。

入浴の間は体温が上昇しますが、バスタイムが終わって眠ることになると体温が逆に下がっていき、眠りにつくのに丁度よい温度となります。また血流を良くすることで深い睡眠につながる効果も期待できます。

個人的な体験でアレなのですが。つい先日、福岡でアーユルヴェーダに行ってきたのですが。その時セラピストに言われたのが「パソコンの見過ぎで目と頭の温度が高くなってます」とのアドバイスが。そこで目にアイシングをしてもらい施術をしたのですが、その日の夜はもうぐっすりと眠れました。


やはり現代に便利といわれる電子機器は、約に立つ反面
「眠り」に関しての妨害になってしまっているようですね。

睡眠に最適な温度は15~20度という事も研究により判明していますので、夏や冬のシーズンでも冷暖房を使って室温をキープすることを心がけましょう。

朝日を浴びて体内時計を調節する

さて、眠りに欠かせないメラトニンは夜だけではなく、朝日を浴びた約15時間後にも分泌が増加するそう。

さらに毎日キチンと朝日を浴びることで体内時計はリセットされ、夜に適切な睡眠を促してくれるようになります。加えて脳内でのセロトニンの合成も活性化してくれる効果も。

逆に朝日を浴びないと、体内時計は毎日少しずつずれしまうので適切な時間にメラトニンが分泌されなくなってしまいます。

一日のほとんどを室内や社内で過ごしてる人ならば、ランチタイムは外に出かけ、できるだけ長く日の光を浴びてみるのもいいですね。

睡眠不足はメンタルにも影響

私の職場も類にもれず「電磁波鳴りやまない」状況ですが、さらにヒドイ? のが「オンラインゲーム」チームがあること。

彼らは仕事が終わるとお決まりのオンラインゲームに集まり夜明け過ぎまでゲーム三昧。「若いから大丈夫」を合言葉にゲームをしているようです。

さて、そんな社内の人をよく見てみると以下のような症状が目につきます。

・つねにイライラしている

・突然切れることがある

・急にふさぎ込むことがある

・コーヒーをたくさん飲む

・集中力がすぐ切れるので、雑談が多い


すべてが「睡眠」のせい? なのかはわかりませんが。寝不足気味の人にはなんとなく同じような状況が見受けられます。

また最近は、街中でも「突然キレる」など時々急に怒り出す人が多いような気がするのですが、ひょっとすると毎晩の電子機器の影響から「悪質な睡眠」に陥っている可能性もあるかもしれません。

睡眠はこれからさらに重要に


良質な眠りをとると、次の日の集中力は高まりいつも以上のパフォーマンスが期待できます。また逆に「睡眠不足」が続くと脳の機能が低下し、偏桃体が活性化することで「いつも以上に食べる」という行為が続いてしまう、といった事が研究から判明しています。

それなのに日本は「睡眠後進国」

ドイツで働いているあるブロガーさんによると。日本企業にいた当時、熱を出し上司に報告したところ「病院へ行って薬をもらってこい」と言われ、ドイツでは「すぐ家に帰って寝ろ!」と言われたと書いてありました。睡眠の重要性を比較する良い例ですね。

偏桃体が活性化する状況が続くと、コーヒーの飲みすぎやお菓子の食べ過ぎにつながり、生活習慣病の予備軍にもなりかねません。

また最近は環境の劣化から「免疫の低下」なども起こりがちな状況。風疹や麻疹も大流行の兆しがありますが、風邪やインフルエンザがなかなか抜けないと言った声もよく聞きますね。

これらを早く解消するためにも上質な睡眠は大切。私もこれから、良質な眠りをとる方法を習慣化してみたいものですね。