「ビーツ」と聞いて、すぐにイメージすることは何でしょうか?
知っているけれどあまりレシピには使わない。使い方を知らない、といった声も聞こえてきそうですね。
真っ赤な色が印象的なビーツは最近、“奇跡の野菜”として注目を浴びるスーパーフードです。
旬の時代以外にも「ビーツパウダー」として販売もされており、都市部などを中心に人気を高めています。
今回はそのビーツに含まれる栄養素や、細胞活性化に期待できること、おすすめのパウダーの取り方などについてご紹介します。
ビーツは国内や、南半球で栽培が盛ん
ビーツの原産は地中海ですが、ニュージーランドやオーストラリアでも販売が盛んです。
私が暮らしている岡山をはじめ、長野県や熊本などでも栽培が行われています。
形状がカブと似ているため、日本では「赤カブ」と親しまれています。
砂糖の原料となる甜菜(テンサイ)と同じ種類ということもあり、甘みがあるのが特徴です。
ロシアでは長い間ボルシチに使われてきたビーツ。ヨーロッパでもスープなどに入れられる原料であり、健康に良い食材として使われています。
特徴的な赤色は、ベタシアニンと黄色色素のベタキサンチンがあるためで、この2つの色素のバランスで、赤色以外にも黄色やオレンジをした品種も見かけることがあります。
旬の季節は6月〜7月、11月〜12月の2回。この頃にはスーパーなどでも手にすることができるようになります。
ビーツに含まれる栄養素
スーパーフードのビーツには、私たちの健康にとって有効な栄養素がいくつかあります。ざっと取り上げてみますと以下のような成分です。
・「ラフィノース」というオリゴ糖の働き
・赤色の成分となるベタシアニン、ベタキサンチン
・NO(一酸化窒素)、体内での産生を促進する成分
・カリウム、ナトリウム、カルシウムなどのミネラル
・ナイアシン、パントテン酸などのビタミンB類
・豊富な食物繊維と鉄分
とくに上位にあげましたラフィノース、NO、ベタシアニン、ベタキサンチンは他の食品ではあまり見かけられない成分として注目されています。
早速ビーツに期待できることをピックアップしてみましょう。
1.NO(一酸化窒素)の産生を増やし血管力アップ
ビーツを摂取すると、他にあまり見ない一酸化窒素の働きが期待できます。
脳卒中や心筋梗塞を防ぐためにはしなやかで柔らかい血管を保つことが必要不可欠。ですが、残念ながら血管は加齢とともに固くなり、柔らかさを失ってしまいます。
血管力を高める方法はいくつかありますが、ビーツに含まれるNO(一酸化窒素)の産生を増やすことも有効とされています。
血管は全身の血液を滞りなく巡らすために必要不可欠なもの。スーパーフードのビーツはまさに「血管をサポートする」のにうってつけといえるでしょう。
さらにビーツは悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増やす作用が期待できるので、動脈硬化などを防ぐのにもおすすめです。
2.ビーツで腸内環境を改善
ビーツに含まれる天然の難消化性オリゴ糖である「ラフィノース」は、腸内の環境を整えて善玉菌を増やし悪玉菌を抑えることが期待できる優れた成分です。
いくつかピックアップしてみますと、以下のような期待ができます。
・腸運動の促進
・カルシウムの吸収力アップ
・免疫力をアップさせる
・病原菌の感染から守る
また食物繊維がたっぷりのビーツは、便秘などの改善にも働きかけますので、ビーツをとることで普段以上に腸内環境が整うことは間違いないでしょう。
3.抗酸化作用で細胞活性化アップ!
ビーツに含まれる色素ベタシアニンは、ポリフェノールの一種です。
ご存じのとおり、ポリフェノールは強い抗酸化作用を持っていますから、細胞活性化を促進させ老化予防などにもおススメの成分。
またベタインには、肝機能を高める作用が期待でき、肝硬変や肝脂肪などの予防にもつながります。
アルコールなどをよく飲んだり、飲む機会が増えるときにはビーツパウダーを使って予防してみるのもいいですね。
「飲む輸血」と呼ばれるほど豊富なミネラル
ビーツには鉄分をはじめ、ミネラルが豊富に含まれています。
≪生ビーツ100gに含まれるミネラル≫
・カリウム・・・460mg
・マグネシウム・・・18mg
・リン・・・23mg
・カルシウム・・・12mg
・鉄・・・0.4mg
とくに貧血気味の場合、ビーツやビーツパウダーをとることで血液の栄養になりますから、女性などには嬉しいスーパーフードです。
ビーツの栄養素は生で取るのが一番ですが、パウダーも定期的に摂取することで、ミネラルや鉄分の補給になります。
ビーツはオーガニックな物を
どのスーパーフードでもご紹介しているとおり、食品を選ぶ際にはオーガニックなもの、農薬を使っていない商品を選びましょう。
とくに生食の場合、農薬の影響もあるので注意が必要です。
パウダーを購入の際には、生産者が提示している「無農薬である」点に気を付けて購入をすると良いでしょう。
生産場所に近いところで暮らしている場合は生産された場所などの表示がよくわかるラベルがついていることが多く、安心・安全の指標になります。
私個人としてはパウダー状のものを使っていますが、無農薬の岡山産地直送の物を使っています。
「農家直送」岡山県産 ビーツパウダー 40g オーガニックビーツ使用 無添加 無着色
その他に有機栽培を取り扱うオンラインショップでも、旬の季節にはビーツを販売していますので、チェックしてみるといいでしょう。
おわりに
ビーツのご紹介をさせていただきました。
生のビーツは旬のシーズンのみの購入となってしまいますが、パウダー状であればECショップなどで取り寄せることが可能。
甘味があるため使い方はジュースに入れたり、ヨーグルトやシリアルと一緒にとる、などといった方法がお勧めです。
これからますます注目となりそうなビーツ。ぜひ1度レシピに取り入れてみてはいかがでしょうか。