よく見かける「アロエベラ」は、主に観葉植物などで知っている人が多いと思います。
独特な形状をしている茎を折るとわかりますが、ジェル状になっていて、このゲルは何千年もの間、わたしたちの健康状態を治療するために使われてきました。
現在ではこのジェルを使ったジュースやクリームなども多く販売していますが、どのような作用があるのでしょうか。
ここでは、アロエベラがもたらす優れた成分を中心に、アロエベラのパワーについてチェックしていきましょう。
アロエベラにはビタミン、酵素などが豊富に含まれる
アロエベラという名前は、アラビア語で「輝く苦い物質」を意味する「アロエ」に由来し、ラテン語で「ベラ」は「 真実」を意味します。
2000年前、ギリシャの科学者たちはアロエベラを万能薬と見なしていました。エジプト人はアロエを「不死の植 物」と呼びました。今日、アロエベラの植物は皮膚科のさまざまな目的に使用されています。
植物としてのアロエベラはとげのある苦い葉が特徴です。
なぜ苦いかというと、動物や昆虫が植物を食べないようにする防御としての役割があります。
葉の内側のねばねばした半透明のゲルですが96周り%の水、そして有機および無機化合物で構成されています。
この中には何が含まれているのかを見ていきましょう。
- ビタミン:抗酸化物質であるビタミンA(ベータカロチン)、C、Eが含まれています。また、ビタミンB12、葉酸、コ リンも含まれています。酸化防止剤はフリーラジカルを中和します。
- 酵素:アリアーゼ、アルカリホスファターゼ、アミラーゼ、ブラディキナーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラー ゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼの8つの酵素が含まれています。ブラディキナーゼは、皮膚に局所的に塗布すると過度の炎症を軽減するのに役立ちますが、他の人は糖や脂肪の分解に役立ちます。
- ミネラル:カルシウム、クロム、銅、セレン、マグネシウム、マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛を提供します。 これらは代謝経路でさまざまな酵素システムが適切に機能するために不可欠であり、抗酸化剤 はほとんどありません。
- アントラキノン:伝統的に下剤として知られているフェノール化合物である12のアントラキノンを提供します。ア ロインとエモジンは、鎮痛剤、抗菌剤、抗ウイルス剤として機能します。
- 脂肪酸:それは4つの植物ステロイドを提供します。コレステロール、カンペステロール、β-シソステロール、 ルペオール。これらはすべて抗炎症作用があり、ルペオールは防腐剤と鎮痛剤の特性も持っています。
- ホルモン:創傷治癒を助け、抗炎症作用を持つオーキシンとジベレリンが含まれます。
上記以外にも、22の人間が必要とするアミノ酸のうちの20と8つの必須アミノ酸のうちの7つを提供しており、炎症作用と抗菌作用を持つサリチル酸も含まれています。
あの小さな葉のゲルにはこれだけの栄養素が含まれているというのは、驚きですね。
ではこれらが私たちの細胞活性化にどう役立つのか。
さっそく、アロエベラのおすすめの使い方をピックアップしてみましょう。
特徴1.アロエベラはやけどをサポートする
アロエベラのゲルですが、その独特な形状はやけどの鎮静や保湿・冷却などに使用されています。
研究によると アロエベラジェルを使用して表面的および部分的な厚さの火傷を治療した人々は、1%の市販 クリームを使用したグループよりも良い結果を示したことを発見しました。
さらにアロエベラグループでの結果として、早期の創傷治癒と痛みの緩和が見られたそうです。
これは夏などにおこりがちな日焼けにも期待できます。
方法として、1日に数回アロエベラを日焼けの部分にぬっておくことがおすすめです。
もし重度の火傷にアロエベラを使いたいのであれば、を塗る前に医師の診察を受けておきましょう。
おすすめ2.アロエベラは消化器系を健康へ導く
アロエベラを摂取すると過敏性腸症候群(IBS)などの胃の病気を和らげることが期待できます。
いまでも胃腸系とアロエベラの研究は多く行われており、IBSの症状を改善したことを示すデータが多く、悪影 響は報告されていません。
逆にアロエベラは潰瘍を引き起こすピロリ菌の増殖を抑制するのに役立つ可能性の結果も報告があります。
おすすめ3.アロエベラは口腔の健康を維持してくれる
最近ではアロエベラの歯磨き粉とうがい薬なども見られるようになってきましたが、アロエべエアは口腔衛生にも役に立つことがわかっています。
2017年の研究では、アロエベラの歯磨き粉を使用した人々は、口腔の健康状態が改善したというを報告が あります。
この研究によると、2つのグループに分けられた40名の被験者に対し、アロエベラの歯磨き粉またはトリクロサンを含む従来の歯磨き粉を1日2回使用し1か月様子を見ました。
すると30日後の結果では、アロエの歯磨き粉はカンジダ、歯垢、および歯肉炎のレベルを下げ、トリクロサン 歯磨き粉よりよい状態であることがわかったそうです。
おすすめ4.抗ウイルスおよび抗腫瘍活性
アロエベラによるこれらの作用は、間接的または直接的な影響による2つの可能性があります。
間接的な効果は免疫系の刺激によるものであり、直接的な効果は、アロエベラが持つアントラキノンによるも のです。
上記にものべましたが、アントラキノンアロインは下剤としても有効ですが、単純ヘルペス、水痘帯状疱疹、インフルエンザなどのさまざまなエンベロープウイル スを不活性化する作用が期待できるものです。
最近の研究では、多糖類画分がベンゾピレンの初代ラット肝細胞への結合を阻害し、それによって癌を引き 起こす可能性のあるベンゾピレン-DNA付加物の形成を防ぐことが示されています。
グルタチオンS-トランスフェラーゼの誘導およびホルボールミリスティックアセテートの腫瘍などの促進にストッ プをかけてくれることがも報告されており、
これは癌の化学的予防にアロエベラのゲルを使用することの可能 性を示唆してくれるものと言えるでしょう。
アロエベラで考えられる副作用
優れた成分を持つアロエベラですが、副作用に関してもチェックが必要です。
ポイントとしてまれに敏感な人に発赤、灼熱感、刺痛感、まれに全身性皮膚炎を引き起こす可能性があります。
また過剰摂取による下痢、肝炎、依存症または便秘の悪化が報告されていますから、少しずつ慣れていくことが大切です。
使い方としては
- 肌に直接塗る
- 歯磨き粉(アロエベラ入り)として使用
- ジュースを飲む
などがおすすめです。
妊娠中の場合は子宮収縮の理論的刺激のため、妊娠中のアロエベラは極力避けたほうがいいでしょう 。
お子さんがある程度の歳になったら、ジュースとして与えるのは問題ありません。
おわりに
1946年から1958年にかけて行われたビキニ環礁での核実験により
多くの人たちが放射性皮膚炎を発症してしまいました。
そのときアメリカ政府は放射性皮膚炎の治療にアロエベラを用いました。
アロエベラは放射性皮膚炎の治療にすぐれた効果を発揮し、ゲルの皮膚疾患に対する優れた効能が世界中に注目されるようになったわけです。
古来から親しまれてきたアロエベラですが、現代の治療にこれだけ役立つことにもう一度目を向けてみると新しい発見があるかもしれませんね。
ぜひ毎日の健康や観賞用にもアロエベラを役立ててください。