ハーブ・スパイス

【解説】シナモンの抗酸化作用はウイルスにも有効!優れた4つの作用とは

スパイスのなかでもシナモンは、アップルパイやカレー、紅茶などにも使われるお馴染みのスパイスですね。

シナモンが無いとどうも物足りず、シナモンを加えたことで風味が増し、美味しさが倍になるお菓子、お料理は数多くあります。

じつはシナモンは古くから薬として扱われてきており、代替医療などにも多く使われてきました。美味しく、そして身体にも良いスパイスとして長年愛用されてきています。

そこで、今回はシナモンにはどのような歴史があり、私たちの細胞活性化に役立つのかについて、ご紹介していきたいと思います。

アーユルヴェーダなどでも使用されている

そもそもシナモンはクスノキ科ニッケイ属の樹皮を乾燥させたもので、レシピとしても使用されやすいよう「スティック状」「パウダー状」などにして販売されています。

ちなみに、似たような商品には「ニッキ」があげられますが、これはシナモンとは別なものです。

では、ここでシナモンの作用を知るうえでまずは以下2つの種類があることを憶えておきましょう。

シナモンのタイプ
  1. セイロンシナモン…カシアシナモンよりも高級で、スーパーなどではあまり見かけない。
  2. カシアシナモン…食料品店などでもっとも見られる、一般的なもの

上記2つの大きな違いは、副作用物質となる「クマリン」の量です。

多く摂取すると肝臓の障害につながることが懸念されていますが、通常のレシピではそれほど深刻になることはありません。

基本的には、カシアシナモンにはある程度のクマリンが含まれていますが、セイロンシナモンは極めて微量で、通常のスパイスとして使用される分には特に問題ないようです。

シナモンを取ることで期待できる作用としては、以下のようなものが挙げられています。

シナモンに期待できる作用
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • メタボリック・シンドローム
  • 過敏性腸症候群
  • イースト菌感染症
  • 口腔感染症
  • 風邪
  • アレルギー性鼻炎 など

古くからアーユルヴェーダ医学などにおいても、シナモンは糖尿病、消化不良、風邪の治療薬として使用されており、人のカパ(身体的および感情的エネルギー)のバランスをとるのに役立つとされ、伝統的な中国医学においては、風邪、吐き気、下痢、痛みを伴う月経などのために使用されてきました。

ヨガなどの後にはチャイティーやシナモンティーを飲むことがありますがどちらも消化を改善するといわれています。

それでは、具体的にはどのような作用があるのか一つずつ見ていきましょう。

1.シナモンは強い抗酸化作用を持つ

シナモンは、プロアントシアニジンという成分を持っています。これはポリフェノールの一種です。

実験によりますと、他のハーブやスパイスよりもプロアントシアニジンは最も抗酸化作用が強いといわれており、シナモンを取ることでこの恩恵が得られる事が分かっています。

2.シナモンは血糖値を下げる

シナモンに期待できる作用として有名なのが血糖値を下げる作用です。

2003年の研究ではⅡ型糖尿病の患者に対し、シナモンを接種してもらう研究を行ったところ、グループのすべての人が空腹時血糖値、LDLコレステロール、総コレステロール値の減少が見られる報告がありました。

この低下の働きはメタボリックシンドロームなどを治療するのに十分な可能性を秘めており、脂肪分が多い食事をとりがちな場合、積極的にシナモン入りを選んでみる事もおすすめです。

3.シナモンは消化器系に働きかける

シナモンの特徴的な香りはシンナムアルデヒドと呼ばれるエッセンシャルオイルの化合物に由来しています。

シンナムアルデヒドは特定の代謝、感染、消化の治療に役立ち抗菌および抗炎症性を発揮することが知られています。

下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)に対しての研究では、シナモンティーを飲むことで排便が20%増加し、緊張、腹痛、腹部膨満感が減少したという報告もあり、シナモンが腸の運動性を促進し、軽度の下剤効果をもたらす可能性を示唆しています。

4.風邪などの症状を和らげる

シナモンのエッセンシャルオイルはアロマテラピーにも使われることがあります。

このオイルは鼻詰まりを和らげ、気分を改善し、エネルギーを高めるのに役立つといわれています。さらに免疫システムを強化し、それによってインフルエンザウイルスなどにも強くなれるとの説もあります。

完治するという事ではありませんが鼻詰まりやのどの痛みなどの緩和にシナモンは有効であるといえるでしょう。

おわりに

シナモンは取り方ひとつで健康維持などに役立つ可能性は否定できません。

ですが、一部の方々にアレルギー反応を引き起こす可能性がありますので、摂取量などには注意してください。

ちなみに1日の大まかな目安は以下の通りです。

シナモンの摂取量
  1. 体重60キロの場合・・・1日あたり小さじ1杯弱
  2. 体重15キロ前後の子ども・・・1日当たり0.5g程度

たとえば、シナモンロールをひとつ、シナモンティーを1日1杯と考えて毎日摂取すると丁度良いかもしれませんね。

シナモンは毎日の生活に「ちょい足し」程度で使うことで、ご紹介させていただいた細胞活性化などに役立ちます。

ぜひ摂取量には注意して、楽しくシナモンをレシピに取り入れていきましょう♪