日本でも人気のハチミツといえば、マヌカハニーですが、これは日本だけではなく、世界的にも非常に希少価値が高い商品、さらにニュージーランドを代表するスーパーフードです。
しかしながら、マヌカハニーは世界的に人気が上がるにつれ、生産が追い付かず、いわゆる「まがい物」も多く出回っているのが現実です。
そこで、ここではマヌカハニーと呼ばれるハチミツはどのようなものか、また健康に期待できる事はどのような点か?などについてご紹介していきたいと思います。
マヌカハニーとはどのようなスーパーフードか
マヌカハニーはマヌカ(Leptospermum scoparium)の木の蜜に由来した名前となっています。
おそらく、世界中で注目された点としてはその強力な抗菌作用でしょう。
このハチミツの成分は1980年代に、ニュージーランドのPeter Molan教授によって発見されました。
元々マヌカツリー(Leptospermum scoparium)からもたらされる特殊な密であり、伝統的にニュージーランドマオリの人々によって治療薬として重宝されてきた歴史を持っています。
誤解をおそれず言うのであれば、確かにマヌカハニーの抗菌作用は優れていますが、どのハチミツにおいても抗菌作用は期待できますので、あらかじめ知っておくとよいでしょう。
これらをふまえ「あえてマヌカが注目」される点についてまとめてみました。
その1:口腔衛生を管理する
私たちが虫歯を予防し、歯を健康に保つためには、歯垢を形成する可能性の高い口腔細菌を増やさないことが求められます。
研究によると、マヌカハニーは歯肉炎、虫歯に関連する有害な口腔細菌を最小限に食い止めることが分かっています。
お菓子などに含まれる糖分が気になる方にとっては、口腔の健康のためにハチミツが有効かという点はやや懸念があるかもしれませんね。
ですが、キャンディーなどの糖質とは違ってマヌカハニーの持つ抗菌効果は、虫歯などに有効な成分であると言えるでしょう。
その2:マヌカハニーはピロリ菌に働きかける
世界中の人がスーパーフードのマヌカハニーに期待することのひとつにピロリ菌への働きかけがあるかもしれません。
マヌカハニーをとることで連鎖球菌(連鎖球菌性咽頭炎の原因)やブドウ球菌(黄金色ブドウ球菌感染症の原因)など、バイオフィルム(抗生物質に耐性があることで悪名高い微生物の群集)に住むバクテリアを分散させ悪玉菌を低下させることが期待できるといわれています。
ご存知の方も多いかもしれませんが、.ピロリ菌は胃潰瘍などの原因となる種類の細菌で、いざ胃潰瘍になると、強烈な胃の痛みや吐き気などを引き起こします。
ある研究でマヌカハニーと、ピロリ菌が胃潰瘍の生検に対するその効果を調べたところ、マヌカハニーはピロリ菌に対する有用な抗菌剤であるという結果が出たそうです。
しかし2週間の研究では、毎日1杯のマヌカハニーを口から摂取した個人から、ピロリ菌は減少しなかったことも示されたという結果もあります。
果たしてどちらが本当なのか?という点がありますが。どうやら胃潰瘍を治療するその能力を十分に評価するためには、マヌカハニーへのさらなる研究が必要なようです。
ただし、マヌカハニーが胃潰瘍の予防に役立つことはすでに証明されていますから間違いなく「健康を害するものではない」ですし、食卓のレシピに取り入れるほうが良いとはいえます。
その3:消化器系など、不確かな症状への期待
農薬をはじめ、ストレスなどからくる過敏性腸症候群(IBS)などの消化器疾患は、もう今では「当たり前の症状」となってしまいました。
長引く便秘、その後に続く激しい下痢や腹痛、不規則な排便。個人的にもよく経験した事です。
じつはマヌカハニーは、これら過敏性腸疾患の症状の原因となる抗酸化状態を改善し、炎症を軽減することが証明されています。
ラットと試験管の研究においても、マヌカハニーは細菌感染予防になると考えられており、消化器系のまた改善につながることも期待されています。
その4:マヌカハニーで喉炎症を抑える
マヌカハニーには、自然由来であるメチルグリオキサールという成分が含まれています。
この成分こそ「ピロリ菌に働きかける」殺菌・抗菌作用があるのですが、マヌカハニーの場合、普通のはちみつ以上の殺菌効果・抗菌力が期待できるといわれています。そしてこれは、のどの痛みにも有効です。
これは余談ですが、たしかに喉の痛みや歯肉炎の原因となるバクテリアを抑制するかもしれません。
ですが風邪などを引いた場合、こういったスーパーフードもとりつつやはり適度な休憩などで身体を休めることが大事です。
真のマヌカハニーはどこにある?
先ほども冒頭でお伝えしたとおり、世界中からマヌカハニーは注目されており、ネットで調べると、たくさんの種類のマヌカハニーが見つかります。
ですが、あまりにも人気商品のため、まがい物も多く果たしてどれが「本物」のマヌカハニーなのか分かりにくい状況です。
健康維持に必要な一品として購入するのであれば、それほど価格は気にしなくても良いかもしれませんが、やはりオーガニックで生産者がわかるものがおすすめでしょう。
また日本人が生産をされているマヌカハニーもあります、こういった顔の見える生産者から購入してみるのはおすすめです。
マヌカハニーを巡る問題点
大人気のスーパーフードであるマヌカハニーの最近の問題点として挙げられるのが、価格の高騰と品質の低下です。
輸出されるマヌカハニーの虚偽表示は後を絶たず「何となく体によい」と考えながら購入しているものは、ひょっとしたら「本物」ではないかもしれません。
ニュージーランドでは、国の対策として “マヌカハニー” という名前で輸出する限り、必ずマヌカ樹木からの花蜜由来で無ければならないと定めることにしています。
当たり前のことですが、今現在においては、マヌカハニー以外の花から摂取した混じりけのある商品が多く出回っているからです。
本当のマヌカハニーは口当たりが優しく、身体に馴染むような感覚を味わえます。さらに体調面においてもやはり少しずつ変化がわかるものです。
もしあなたが真のマヌカハニーでの恩恵を知りたいのであれば、やはり「本物」のマヌカハニーを試すことをおすすめします。
おわりに
個人的には「ハチはいま受難時代」で、人間のさまざまな欲望により、たいへん苦労を強いられていると思います。
環境も決して優しくなく、そのなかで質の高いハチミツをつくるのは大変なことです。
ぜひその背景も知ったうえでマヌカハニーをはじめとするハチミツ類の恩恵を味わうと、感謝の念がうまれますし、また環境に対する意識も変わってきます。
毎日の食卓に、ぜひ質の高いマヌカハニーを取り入れてみてくださいね。